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ヨコハマ見聞録

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マリノスの経営サイドから見た選手獲得方針について(想像)

去年はマリノスタウンが完成し、
プライマリー~トップチームまで同じみなとみらいでプレーできる環境を手にいれた。

マリノスユースからマイク・長谷川・斉藤、野洲高校から乾を獲得し
マイクは福岡に武者修行、長谷川・斉藤・乾は悔しいシーズンになったが
それでも十分来期に期待できる土壌はできた。
順天堂大学から加入した小宮山は、
後半失速したものの新人王候補にもノミネートされるまずまずの活躍をした。
そして今年はインカレ優勝した早稲田の兵藤、帝京の浦田、ユースから水沼、金井が加入する。

今、才能あふれる若手の選手たちがグランドに溢れている。
ここ2シーズンでグッと若返ったチームは、
きっと近い将来、若手の成長とともに躍動してくれるに違いない。
そのころにはまた、長谷川、斉藤、水沼、金井らの活躍を
みなとみらいで身近に見て育ったユースの選手たちが
マリノストップチームへの入団を夢に描いてくれる環境が出来て、
新たな若い才能が育ってくれているに違いない。

2001年に残留争いに巻き込まれたマリノスは
チームのテコ入れとして
奥、中澤、清水など他チームで活躍するトップクラスの選手を
多額の移籍金を払って獲得し、補強してきた。
その後、怪我で苦しんでいたとはいえ、レッズの司令塔だった山瀬も獲得した。
けれど、今は、
移籍金のかからない
ユース・高校・大学から若手の有望な選手を中心とした獲得を行う一方で
年棒の高い選手のリストラ策を推し進めて、人件費の軽量化を図っている。
2006年の選手総年棒が9億7600万円だったのに対して
2007年の選手総年棒は8億1520万円。人件費削減率はリーグトップとなった。
(人件費の削減率がJリーグトップと言っても、年棒合計額ではレッズに次いでリーグ2位)
参考;「How Much Are You, Mr. Football ?」
方針転換の効果は若手がトップチームのスタメンに起用されるようになる数年後に現れ、
その後は次々と下部組織から有望な選手の供給を図っていく。
今後のチーム経営は人件費をなるべくかけない、このような方向で運営されるのだろう。

そしてチームは今年、2010年にホーム観客動員「ワンミリオン達成」という目標をあげた。
観客動員をあげるために、
商店街にチームフラッグを上げる試みや
横浜ダービーをフロントとサポーターとチームが一体となって盛り上げたり
さまざまな取り組みがなされたけれど、継続的な観客動員につながっているとは言いがたい。
チームが人件費を削ってスリムな経営を目指す一方で、
10億円ともいえる移籍金を用意して俊輔獲得に動いたのは
彼の新規顧客集客力に期待する意図があったものと思われる。

つまり、選択と集中。
基本的に選手の移籍金・年棒は極力抑えて
新規の顧客を期待できる中澤・俊輔など
全国的に知名度がある選手には集中的に資金投入する、という図式。
対して、年棒7500万円から3000万円台に減棒となったと言われる松田は
その枠から滑り落ちた、ということなのかもしれない。
山瀬の年棒が彼の才能・活躍に比して極端に安い気がするのは
まだサッカーを見たことがない、スタジアムに来たことがない、といった層の人たちが
「山瀬を見たい」というだけで足を運んでくれるという、
そこまでにその知名度がまだ達していないということなのかもしれない。

今、マリノスが経営的に進んでいる方向は
レッズのように、
多額の移籍金を支払ってでも他チームのビックネームを引き抜いてチーム力を上げ、
優勝争いを繰り広げることでファン層をますます獲得していく、
という所謂「ビッグクラブ」といわれる経営と同じ方向ではないと思う。
去年移籍獲得したのは、マルクス、鈴木、吉村、エウチら移籍係数の低そうな面子。
今年も最終的には駒野や今野、ジェフの佐藤には手を出さず、
移籍獲得したのはブラジル人のレンタルと小椋のみ。
その他はユース・高校・大学から優秀な人材を獲得し、育て、チーム力を上げる方針か。
もし、これら期待の若手が経験をつんで優勝争いに加わるような戦いが出来たとき、
2010年までに飛躍的に観客動員数が伸びたとき、
チームの経営方針は方向転換するのだろうか。

2007年ホーム観客動員数が約40万人。これを3年後に100万人にするという。
一人あたり入場料平均3000円としたら18億円の収入増となる計算だ。
公開されている2006年度の入場料収入ベースで計算すると、
18億円入場料収入が増えた場合、浦和の入場料収入を若干上回る。
Jクラブ別情報開示資料

やる前に「さすがにそれは無理だろう」とは言わないけれど
もしそうなったら、
毎年5億円と言われるマリノスタウンの維持費を支払い続けなければならない上に、
資本金3000万円、総資産が24億円しかないのに
リーグダントツトップの25億円の負債を抱え、
2006年度時点では、すでに債務超過に陥っているチーム経営も改善するだろうし、
借金を返済して、なお人件費に割ける費用も捻出できるかもしれない。

だが、実際にはマリノスの財務状況改善には暫く時間が必要だと思う。
日産が援助できなくなれば下手したら潰れる。
(というか債務超過なんだからすでに半分潰れている。
日産自動車と心中している状態だ。)
それまではある程度人件費的にスリムなチームを目指さざるを得ないと思う。
ガンガン有力な選手を引き抜いてくるようなビッグクラブへの道はまだまだ先になりそうだ。




そんな状態なので、
外国人枠があとひとつ残ってますが、
「ビックネームを突然つれてくる」「ブラジルから点取り屋をあと一人」
・・・というサプライズはまあ、無いんじゃないかな。

来期、「やっぱし今野獲得!」なーんてことも無いんじゃないかな。
まあ、小椋君が来てくれたからいいんだけど。

あと、次の車は日産車を買うべき。
by hama_kenbunroku | 2008-01-18 00:09 | マリノス見聞録
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日産スタジアムバスクタ2階からの、横浜Fマリノス応援・見聞録


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